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第五十八金栄丸 シップオブザイヤー 作業船部門獲得 あれこれ

包み隠さずに、第五十八金栄丸のシップオブザイヤー応募から受賞までの流れを皆さんに紹介したいと思います。
まずは、表彰状から! ↓

 

表彰状のご閲覧、誠にありがとうございます。
事務所の入口に、どーんっと飾っております。

本船の紹介につきましては、以下サイトに任せるとします。

https://www.jasnaoe.or.jp/soy/

仲間内では、”こうゆうのって、デキレースなのかな?”とか話しておりましたが、そんなことは一切無いことが、
我々の受賞で証明されました。

さて、まずは本船をご推薦いただいた、長崎総合科学大学の松岡教授に感謝致します。
松岡教授には色々な場面でお世話になっており、これからも弊社と共同戦線を組みたいと思っているお方です。

推薦後、船主である有明商事殿に、船の紹介資料、本番用のプレゼン資料を全て作ってもらいました。

2023年5月11日 選考会にて、エントリー船1隻につき12分間のプレゼン発表がありました。
各社、各船、素晴らしいプレゼンを聞き、大変楽しい選考会だと思いました。

ただ、”場違い感”を感じたことは言うまでもなく、質問攻めにあっている他船の担当者を見て、
正直、”帰りたい”と思いました。。

プレゼンには慣れているつもりでしたが、さすがに緊張しました。

原稿もありましたが、アドリブ好きに入れていいよ、と事前に承諾をもらっていましたので、
原稿部分を読み切った後、私自身の言葉で、各ページを補足して行きました。
それが、”内田流プレゼン”です。

”ちょ、この装置、ホントに載せるんすか?と、船主さんに聞き返しましたよ!ホントに凄い装置だったので。”

自分の普段の話言葉を入れることで、聞き手が、しっかり聞いてくれてるように思いました。
また、他船のプレゼンを聞いたうえで、直前で原稿を書き直したりもしました。
きわめつけ、発表に対する時間管理も成功しました。
”ご清聴ありがとうございました”と、12分終了を知らせる鐘が、同時に重なったとき、場内で軽いどよめきが起こりました。
”ブザービート、決めてやったぜ”と、心の中で言いました。

後日、プレゼンを聞いてくださった方々から、”プレゼン良かったよ!”と言われ、やり切った感、ハンパなかったです。

全ては、第五十八金栄丸のコンセプトと、有明商事殿が作成した完璧な原稿のおかげでしたが、、

やり切った感、ハンパなかったです。

後日、受賞連絡を受けたとき、久しぶりに仕事でガッツポーズをしました。
とても素晴らしい賞を受賞できて、心の底から嬉しかったです。

2023年7月14日 受賞式、我々は船主さんを含む各企業の代表者4名で出席しました。
表彰式後の祝賀会時、受賞挨拶を、船主さんから私が譲り受け、冒頭で軽いボケをかまし、軽くスベりながらも、大役をまっとうできました。
受賞挨拶コメントは、”海事プレス オンライン版 8月9日のログブック 内田恭浩”に掲載されております。

引き続き、ネイバルアーキテック長崎を、よろしくお願い致します。

長文でしたが、ご一読ありがとうございました。

 

2023年10月25日

第五十八金栄丸 シップオブザイヤーへの応募

昨年、水辺の森公園でお披露目した第五十八金栄丸(船主:有明商事殿)につきまして、
2022年シップオブザイヤーに応募しました。

応募船の紹介サイトは以下になります。

https://www.jasnaoe.or.jp/commendation/soy/2022.cand.html


【技術(含、コンセプト)の独創性・革新性】

本船「第五十八金栄丸」は主に九州近海を運航する砂利採取運搬船。従来の造船所主体の建造手法と違い、船舶設計事務所主体で各メーカーを取り纏め建造する手法を採用し建造した船です。本船の特徴として①「オペレーター不足解消するため、バックホウ式荷役装置を採用」、船員の負担軽減・船舶の安全性向上のため、②「複数メーカーを横断したデータを収集する次世代機関監視システム“Smart Dock”やデジタルツインを開発・搭載し、陸上からの機関状態の監視を可能とした」、③「グローク社の開発した状況認識システム“グローク・プロ”を搭載し、夜間を含むブリッジでの監視作業の負担軽減」に取り組んでいます。また防災・環境負荷の対策として、海水淡水化装置を搭載し水資源の保全や災害時の給水活動支援も可能な船舶としています。このように本船はDXによる省力化、効率化、安全性能向上に注力した船舶の建造となっています。

~~~~~

上記の紹介文にあるように、弊社にて全体的な取り纏めを行なった船となります。
以前、シップオブザイヤーを獲得した琵琶湖の研修船”うみのこ”も弊社が設計を担当しておりましたが、
メーカーを含めて全体の取り纏めを行なった船は、本船が初めてです。
1時間に80tもの水を生成できる海水淡水化装置を積んでいる船は、おそらく世界にありません。
是非、シップオブザイヤーが獲得できればと願っております。


2023年03月23日

2023年 新年のご挨拶

 

明けましておめでとうございます。
ネイバルアーキテック長崎有限会社 代表取締役社長の内田恭浩です。

昨年はNPO法人 海洋環境研究機構(K-CUBE)の理事長として、長崎水辺の森公園にて”働く船の見学会”を実施し、
多くの方にご来場いただきました。メディアでもご紹介いただき、長崎新聞にも掲載されました。
イベントの様子及び新聞の内容など、以下のツイッターで見ることができます。

https://twitter.com/K_CUBE2022

様々な方にご協力いただき、誠にありがとうございました。

さて、本業である”船の設計”に関する話題ですが、
弊社は昨年、次世代型3D設計に関する技術開発に取り組み、多くの時間を費やしました。

ようやくですが、造船所様に対して、自信を持ってレビューできる技術に育ちました。
2023年は、造船所様へ直接お伺いし、弊社の次世代型3D設計をご説明させていただければと思っております。

直接お見せしたいので、多くをここでは語りません。
ですが、必ず、皆様を驚かせます。
日本のあらゆる造船所、及び船舶設計事務所では、おそらく同じ手法は存在しないと思っており、
国土交通省・経済産業省など、国の後押しを受けてDX推進に向けて取り組んでおられる造船所の方々にとっても、
弊社の技術は、皆様の参考になると思っております。
なぜなら弊社は、この技術により、”メタバース”の事業に参入できる可能性さえあるからです。

弊社とすでに取引のある造船所様には、私からご連絡致します。
また取引が無くても、セミナーや勉強会で直接お会いした方々は、是非、声をかけてください。

船主様につきましては、弊社がコンサルティングするという大袈裟な立場ではなく、
船に関する様々なことを気軽にご相談ください。お手伝いという立場で、ご協力致します。

新年のご挨拶としては以上となります。
今年も、ネイバルアーキテック長崎をよろしくお願い致します。

~~~~ここから先は、私のマニアックな話に付き合ってくれる方が、お読みください。~~~~
   (私の性格をよくご存知な方へ向けて、以下のコメントを書いております。)

”私には理解できない”シリーズの第1弾です。
賛否あると思いますが、いつか皆様と意見交換してみたいです。

その1.営業や現場の方が、3D図面を拒否する姿勢が、私には理解できない。
  理由:3D図面は、営業や現場の方に対しては、プラスの情報しかありません。
     営業や現場の方に対し、必要な2D図面は、当然残します。
     協議しながら2D図面を減らすのがベストです。
     3D図面を使った船主様との打ち合わせは、双方にとってプラスしかありません。
     3D図面を見れば、最終形態をイメージしながら、ものづくりができます。

その2.経営の方が、3D=巨額投資と思っている姿勢が、私には理解できない。
  理由:生産まで含めた舶用の3D設計TOOLを私は否定しません。
     どんなに高額であろうと、生産性に有利であれば、舶用の優れた設計TOOLに投資すべきです。
     但し、高額な設計TOOLの延長線上に、営業用の3D図面と現場用の3D図面を置くことには否定的です。
     営業が使う3D図面は、漫画絵レベルでよいのです。求められるのは、”作図スピード”です。
     そしてもう1つ大切なことは、”データの軽さ”です。
     私個人の感覚では、1つのデータを200メガ以下にすべきかと。
     上記を達成するには、汎用の3D設計TOOLを利用することです。
     世の中には、すでに無料のTOOLもあります。汎用ゆえに、データが軽くて、値段も安いのです。
     TOOLの使い分けが重要であり、1つのTOOLに固執しない方が良いと考えております。
     長年使って来た3D設計TOOLをバージョンアップして営業用や現場用に使用するより、
     営業用と現場用のTOOLは、生産設計用TOOLとは、それぞれ住み分けた方がよいと思います。
     巨額投資は、必ずしも必要ありません。まずは少額な投資から試してみてください。
     弊社はすでに3D一般配置図を作図して提供しておりますが、お客様の反応はとても良いです。
     なぜなら、詳細設計に入る前に、一般配置図を3Dで描くからです。
     現場用の3Dビューワに関しても、これから造船所の皆様にとって、良いものをご紹介できればと考えております。
     タブレット端末の現場利用? いえ、タブレット端末さえ、現場作業員にとっては邪魔と考えます。
     現場用の端末は、スマホでの閲覧、一択ではないでしょうか。
     複数人で図面をみながら現場で協議する場合は、スマホの画面をミラキャストで大画面に映し出せばよいかと。
     弊社が目指しているところは、直接会ってから、ご説明致します。
     

その3.設計の方(主に2Dでやってきた熟練の設計者の方)が、3D図面を拒否する姿勢が、私には理解できない。
  理由:”船に3D設計なんて、必要ないよ。”
     よく耳にするのは、熟練の2D設計者からの声です。
     会社の経営状況まで見据え、役職もあり、社員からの信頼もある。
     その想いは深く、おそらく私は、説得できないでしょう。
     ですので、少し視点を変えて、私が目指す3D設計の根底部分を紹介致します。
     引渡し前の完成したばかりの船に乗り、現場を歩いて確認するシーンを想像してみてください。
     目の前に、反省が広がります。
     ここの配管、こっちの方がよかったね。ここの電路、なんでこんなルートなの?
     あなたが現場監督の立場ならば、指摘して、修正を要求することも可能でしょうが、あなたは熟練の設計者です。
     若手や外注が書いた設計図のチェック不足を悔み、次の船で活かす対応しかできない事例もあるでしょう。
     但し、完成したものを歩いて見てまわり、指摘することは、実は難しいことではありません。
     設計した本人でさえ、こうなってしまったか、と、現物を見てミスに気づきます。
     我々は、現場監督ではなく、設計者です。現物が完成する前に、ミスに気づく必要があります。
     2Dの図面で、ミスを見つける作業は、とても難儀です。
     設計でのダブルチェックでスルーし、製造現場からの指摘で、製品としてのダブルチェックが
     なんとか成り立っている状態に陥っている可能性もあります。
     この問題の打開策として、3D図面が、あなたの熟練スキルをさらに活かします。
     現物を見れば様々なことを指摘できる熟練のスキルを持ったあなたが、リアルな3D図面を見て周り、
     現物ができあがる前に、まずい点を指摘すればよいのです。知見者による3Dレビュー会の実施です。
     あなた自身が3D図面を描かなくてよいのです。3D図面は、若手や外注が描きます。
     できあがりをチェックする上で、3Dビューワだけを操作できればよいのです。
     ただ問題となるのは、3Dレビュー会の実施時期です。現場に2D図面が流れた後では遅いです。
     工程のスピード感に合った設計TOOLでなければなりません。
     なので今後は、”船に3D設計なんて、必要ないよ。”とは言わずに、
     ”こんな工程で出てくる3D図面なんて、いらないよ。”と言ってください。
     実は、熟練の設計者にとっても、3D図面はプラスの情報しかありません。
     ”若手に描かせるまでが大変なんだよ”と思った方、ご連絡お待ちしております。
     弊社が2Dも3Dも描きます。2Dと3Dの重複設計でも、同じ設計事務所で描けば、かなり効果あります。
     目指すところの究極は、3Dビューワで、船主承認を得る未来です。
     船主様からの現場監督の派遣が不要になるかもしれません。
     船主様、造船所様、双方にメリットありそうです。

 

その4.頭のキレる設計の方が、ゲーム業界のプログラマーを遠い存在と決めつけている姿勢が、私には理解できない。
  理由:私、昭和52年生まれで、現在45歳です。
     幼少期、親が買って来たMSXという名のコンピューターで、PC雑誌に掲載されているプログラムを
     せっせと書き写し、不快な音を立てるテープレコーダーにプログラムを保存し、そのゲームで遊ぶという世代です。
     90年代、Windowsの登場に驚き、グラフィックが進化し続けるプレステなどのゲーム機に感銘を受けた世代です。
     昭和のプログラマーは、主にグラフィックを競い、ハードとソフトの両面で苦労してきたと思いますが、
     令和のプログラマーは、果たしてそうでしょうか?
     令和のプログラマーは、圧倒的なクリエイティブさを要求されており、グラフィック至上主義でもなく、
     皆が楽しめるゲームを創造する必要があります。
     ゲームを作るという環境は整っており、ゲームを創ることに苦悩しているプログラマーが多いと思います。
     船舶設計者にとって、ゲームを創るプログラマーは確かに遠い存在かもしれませんが、
     現在、ゲームを作ることに関しては、敷居が低くなっていると感じています。少し勉強すれば、誰でもできそうです。
     しかも、我々には、クリエイティブさは、求められていない。明確な仕様、要求もある。
     好景気のときは忙しくて、そんなことを考える暇もないでしょう。
     不景気のときこそ、エンジニアはチャンスなのです。
     不景気で通常業務が無いときに、いかに会社として未来の技術に投資できるかが発展の鍵と思っています。
     是非、弊社にその一歩目のお手伝いをさせてください。
     なお、ここまで読んでくださったあなたに、私は営業を仕掛けます。
     難しい仕事を創造して、弊社に依頼する必要はないです。(それに応える自信もないです。)
     単純に、今の2Dでの仕事を、船の一区画でよいので、弊社に、弊社のやり方で設計させてください。
     

その5.AIに何も期待していない自分自身が、私には理解できない。
  理由:トップダウン型のAI、すなわち、現在のAI、は、教え込むことで最適解を導くものであり、
     ”設計の簡略化”に、他ならない。 と、考えてしまう自分自身は、おそらく勉強不足なのかもしれません。
     でも、どうしても、船舶設計において、AIの必要性を感じません。
     最適解は見つかっても、過去より良いものは産み出されない。
     ボトムアップ型の未来型AIの登場を期待し過ぎるあまり、現在のトップダウン型AIに魅力を感じておりません。
     知見の方、アドバイス、よろしくお願いします。
     ちなみに、AIには懐疑的ですが、CGには弊社は手を出しました。
     CGの技術は、弊社はすでに習得しましたので、船舶プロモーションビデオを作成したい場合は、
     弊社にご依頼ください。現場組み立て用の教材ビデオなども作れると思います。

2023年01月08日

NEDO案件のご紹介

NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization)とは、
持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、イノベーションを創出する、国立研究開発法人です。
NEDOに関連する補助金案件にて、弊社へ間接的な業務依頼があり、
水中ドローンと潜水士の協業に関する実証実験に弊社も参加致しました。
その案件に関する成果報告を、以下でご紹介した造船システム研究会にて、発表予定です。
水中ドローン(有線接続)は自作可能であり、低コストで手に入れることができます。
興味ある法人の方がいましたら、個別にご紹介致します。

2022年09月15日

造船システム研究会でプレゼンします

9月20日(火) 13時より、造船システム研究会が長崎県勤労福祉会館にて開催されます。
午後一のプレゼン担当として、私(内田)が発表します。
テーマは、船舶のデジタルツインについてです。
デジタルツインとは、”デジタルの双子”を意味し、船舶においては、現船を3Dモデルにて再現し、
現船の詳細情報をリアルタイムに事務所PCに表示するシステムです。
船主視点のデジタルツインへの取り組みを最初に紹介しますが、弊社は設計事務所ですので、
設計視点におけるデジタルツインについて、弊社の取り組みを詳しく紹介する予定です。
なお、造船システム研究会とは、長崎総合科学大学の松岡和彦教授が主催している研究会です。
先ほど松岡教授と本件の打合せをしたのですが、今回で70回目(?)の開催とのことです。
(松岡教授は、私が理事長を務めているNPO法人:海洋環境研究機構「K-CUBE」の顧問であり、
 弊社とも一部の事業で専門家契約を結んでいる方です。)

2022年09月15日
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