ご挨拶遅れましたが、
2025年も、ネイバルアーキテック長崎をよろしくお願い致します。
毎年恒例にしたいと思っている”年始から長文メッセージ”を掲載すべく、
今年も造船業界に対する気持ちを率直に書いてみたいと思います。
■メタバース案件
弊社が取り組んでいる”造船×メタバース”のコラボ案件ですが、
現在、様々な課題と向き合っている最中です。
利用しているプラットフォームは、”Cluster”という国産メタバースですが、
なんと、この”Cluster”には、VRの機能が標準で搭載されております。
VRヘッドセットをつけて、臨場感のある船に乗ることが、標準機能で達成できております。
今、造船業界において、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)等の技術を追い求めている企業が
少なからずあると思いますが、私の予想では、これらの技術が造船業界では浸透されないのではないか、
と、現時点では思っております。
ん?また今年も矛盾っぽいことを言ってしまいましたね。
”御社がやってることは、まさにVR技術やん!”と、ツッコまれそうですが、
私は、メタバースにおいて、”VR技術”は必須ではないということを強調したいのです。
VRヘッドセットの装着に対し、私は現時点では否定的です。
理由は単純です。
私が、酔うからです。
身体的に、車酔いや船酔いをほとんどしない私が、VRでは酔ってしまうのです。
ヘッドセットを数分つけると、体調が悪くなってしまいます。
これはVRにおける致命的な弱点と思っており、
不快感のあるものを現場の作業者や、設計者が日常で使うとは思えないのです。
ARは長時間試したことがないので、話題に触れることができませんが、
装着の快適さという点は、無視できないものだと思っております。
VRに関して、映像的な技術を達成できたとしても、
ヘッドセットの快適性の問題や、VR酔いという壁が、必ずあります。
なので私は、メタバースにおいては、アバターの重要性を強調致します。
ゲーム酔いは、ほとんどの方がしないと思います。
私もゲームが好きですので、アバター(自分の分身)を
自由にゲーム感覚で操作できる”Cluster”が最高のメタバースだと思っております。
身長と体型を現実と合わせることで、自分が”ものさし”となり、
船の大きさを実感することができますので、この優位性を活かして、
さらにステップアップしていきたいと思っております。
■東京ビッグサイトにてXR展示会に参加
先日、東京ビッグサイトにてXRの展示会に参加しました。
その中で最も優れていると思ったのは、アップル社がリリースした最新のヘッドセットです。
”透過モード”では、通常の視界を保つことができます。
ヘッドセット右上のつまみを回すことで、”透過モード”から”ARモード”に移行し、
3D物体が浮かび上がります。
さらにつまみを回すことで、”VRモード”へ移行し、通常の視界が完全にシャットアウトします。
装着性も悪くなく、これなら造船現場の方でも装着してもらえるかな、というものでした。
さきほどVRヘッドセットの”VR酔い”について記載しましたが、今後、解消されるかもしれません。
それぐらい、快適性に対する改善が速いということです。
展示会の見学を終えたとき、今後への期待感が膨らみました。
■令和7年度の造船関連の補助金は”DXオートメーション補助金”
国交省よりDXオートメーション補助金の公募が開始されました。
ロボットの導入により、現場作業員の負担を減らすための技術に対し、
補助金が支給されるようです。
例えば溶接ロボットや塗装ロボットなどが思い浮かびますが、
弊社が取り組んでいるバーチャルエンジニアリングを活かすならば、
ウェアラブル端末の導入も、補助金の要件に当てはまると思っております。
先ほど紹介した最新のAR機器等をどう現場で活用できるかを、検討してみたいと思っております。
引き続き、今年もネイバルアーキテック長崎をよろしくお願い致します。
ネイバルアーキテック長崎有限会社
代表取締役社長
内田恭浩